コミュニケーション戦略BCP策定におけるリスクマネジメントとコミュニケーションの融合
2023.04.11
3月24日、内閣府は事業継続ガイドラインを改定し公表しました。新しいガイドラインにはテレワークやオンラインを活用した取り組みとそれを支える情報セキュリティについて追記されました。近年、自然災害やサイバー攻撃、感染症の蔓延など、企業や自治体が直面するリスクは多様化しています。事業継続計画(BCP)は、こうした危機的事象への対応力を高めるための重要な取り組みです。本記事では、BCP策定におけるリスクマネジメントとコミュニケーションの融合を解説し、内閣府が改定した事業継続ガイドラインを活用して効果的なBCPを構築する方法を提案します。
Contents
事業継続計画(BCP)とリスクマネジメントの基本
事業継続計画(BCP)とは、企業が危機的事象に遭遇した際に事業を継続し、収益を確保するための計画です。一方、リスクマネジメントは、リスクの特定、評価、対策の実施とフォローアップを行うプロセスです。BCPとリスクマネジメントは密接に関連しており、効果的なBCP策定にはリスクマネジメントの適切な取り組みが不可欠です。
コミュニケーションの重要性
危機的事象への対応において、迅速かつ適切なコミュニケーションが極めて重要です。経営層から従業員、取引先、地域社会など、関係者全体との円滑なコミュニケーションを確立することで、危機への対応力が向上します。特に改定された事業継続ガイドラインでは、オンラインを活用した迅速な意思決定と指示が求められており、コミュニケーション手段の多様化が重要視されています。
テレワークの活用とその影響
新型コロナウイルスの影響で、多くの企業がテレワークを導入し、働き方が大きく変化しました。改定された事業継続ガイドラインでは、テレワークが明記され、「テレワークでの実施が可能な業務はテレワークを活用する」と追記されています。テレワークの普及に伴い、従来の対面式のコミュニケーション手段から、オンラインを中心としたコミュニケーションが求められるようになりました。これにより、危機時の迅速な意思決定や情報共有が可能となりますが、同時にセキュリティ対策も重要となります。
オンラインを活用した迅速な意思決定と指示の仕組み
本社が被災した場合や、従業員が分散している状況下でも、オンラインを活用して迅速な意思決定と指示が行える仕組みの整備が求められます。オンライン会議ツールやチャットツールの活用により、リアルタイムでの情報共有が可能となり、危機への迅速な対応が実現します。
情報セキュリティの強化
テレワークの普及に伴い、情報セキュリティがより一層重要となりました。改定された事業継続ガイドラインでは、情報セキュリティの強化が追記されています。具体的には、VPNの導入やパスワード管理の徹底、不正アクセスの監視などの対策が挙げられます。また、従業員への情報セキュリティに関する研修や、定期的なリスク評価も重要です。
事業継続ガイドラインチェックリストの活用
改定された事業継続ガイドラインには、参考資料として「事業継続ガイドライン チェックリスト」が付属しています。このチェックリストを活用することで、自組織のBCM(事業継続マネジメント)がガイドラインに沿っているかを確認することができます。定期的にチェックリストを用いて自社のBCPを評価し、改善点を見つけ出しましょう。
まとめ
BCP策定においては、リスクマネジメントとコミュニケーションの融合が重要です。改定された事業継続計画ガイドラインに沿った取り組みを実施することで、企業は危機的事象に対する対応力を高めることができます。具体的には、テレワークの活用やオンラインを用いた迅速な意思決定、情報セキュリティの強化などが求められます。また、事業継続ガイドラインチェックリストを活用し、自社のBCM(事業継続マネジメント)を定期的に評価・改善することが重要です。
30分でわかるリスクコミュニケーション無料相談
どのようなコミュニケーション戦略を施策したら良いかお悩みの方は、ぜひご相談ください。
30分でご相談をお伺いし、的確なリスクコミュニケーションアドバイスをいたします。
リスクコミュニケーションについて学びを深めたい方
日本リスクコミュニケーション協会では、各種認定資格講座をご用意しております。
未経験者でも受講可能な「リスクコミュニケーション(RC)技能認定第1種」と、2年以上の実務経験を踏まえて、外部に有償でアドバイスできる知識を習得できる「認定リスクコミュニケーション(RC)アドバイザー」認定資格講座になっています。