Student Voice /002
社会課題に取り組む非営利団体こそ「リスクコミュニケーション」が必要
組織全体の日常的な意識を上げるサポートをしたい
本郷順子税理士事務所
本郷順子 代表
財団法人の事務局と税理士事務所を兼務しながら、税理士資格試験に合格し独立。
クライアントの9割は非営利団体(NPO、財団法人、社団法人)という、NPO業界で有名なプロフェッショナル! 今年独立されてから12年目になる、税理士の本郷順子先生にお話を聞きました。
社会課題に取り組む非営利団体こそ「リスクコミュニケーション」が必要。組織全体の日常的な意識を上げるサポートをしたい。
ーー RC技能認定第一種講座を受講したきっかけは何でしたか?
社会で起きるいろいろなニュースを見ていると、記者発表やインタビュー対応で伝え方、喋り方をひとつ間違えたが為に、世間の評価が大きく変わるケースを目の当たりにします。
不祥事の対応や根本的にどういう風に考えればいいのか?そういうことを学べるかも、と興味を持ったことが受講のきっかけです。
ーー 実際に講座を受けて、どんな感想を持たれましたか?
最初「リスクコミュニケーション」とは、そういうことを掌握し、特定の役割の人が対応を行い、その下にブレインみたい人たちがいて、その人たちだけが把握していればそれで良いと思っていました。
しかし、いざ受講してみると全然別物なんだと学びました。
RCの中心になる人ももちろん必要だけれども、全社的にそういう意識を常に持ち続けなければいけないという観点が私にとって非常に大きい気付きでした。
印象に残ったのは、「ソーシャルメディアのリスクと活用」の回です。
SNS の世界は私にとってそんなに好きではない分野で、縁遠かったんです。
しかし、炎上するスピード感や把握のやり方、また、炎上を助長させているのはごく一部の人がものすごい量を書き込んでいるから、などそういうところは初めて認識しましたし、 わかりやすくて面白かったです。
また、リスクに対応するということで、一番頭の整理ができたのは「BCP基礎とBCM」の回でした。
ーー 逆に、苦労した点などありましたか?
最初、専門用語や略語、横文字が多く少し戸惑いました。ここはオンラインで配布されるレジュメを見ながら理解していきました。
あとは学習時間の捻出です。移動時間にアーカイブ動画を見たり工夫しました。
ーー 先生は顧客の9割以上が非営利団体ですよね?顧客へのサポートなど、お仕事の中で生かせる部分はありましたか?
ありました。私が支援する顧客の多くは社会問題のど真ん中で働いています。
つまり、問題があるところに関わっているという団体が多いわけです。
トラブルに遭ったときにどんな見せ方をして解決していくか。
そのリスクはもしかしたら普通の企業がトラブルに遭う機会より、非営利団体の方が多いんじゃないかと思いました。
そしてそれは日常的に、問題が発生しないようにしていく取り組みが必要だと学びました。
例えば、今よく取り上げられる子どもの貧困問題。貧困家庭の中に飛び込んでいく活動している方たちにとって、そのリスクは一般の消費者を相手にしている企業よりも問題は多いと思います。
ーー 非営利団体の方がリスクが高いと感じられたんですね。今後具体的にどのようなアドバイスをされますか?
何かあった時に備え、マニュアルは共有する必要がありますということです。
また「IR基礎、CSR」の回で、例えば有価証券取引書の発表の際に、誠意を持って発表することなど学びました。
非営利団体は寄付やボランティアに支えられているところが多いんです。
そういう意味でも、独りよがりではない、自分達のことを分かってもらうための見せ方、その自分達の誠意をいかに社会に向かい、伝えられるかいう方法というのは非常に役に立つ手法だと思います。
ーー これからリスクコミュニケーションに取り組もうとしている方にメッセージをお願い出来ますか?
この講座を学ぶと、RCがいかに日常の取り組みが大事かということがよく理解できるので、そこが素晴らしいと思います。
RCは特別なことではなく、日常の生活の中で取り組んでいかなければならない、当然のことなんだいう点が、わかりやすく理解できるのでこれからRCに取り組みをされる方におすすめします。
ーー ありがとうございました。
ありがとうございました。