RCの基礎知識広報のためのBCP、総務のためのメディア対応
2021.05.10
もしあなたが今、広報やIRの部署にいて、今危惧されているような首都直下型地震が起きたと仮定して、あなたの会社が関係する全てのステークホルダーに適切なコミュニケーションを取れる自信はありますか?
もしあなたの会社に広報機能がなく、総務や人事の部署にいて、元社員の書き込みによりSNS上で炎上しメディアから問い合わせが殺到したと仮定して、担当にアサインされたら適切な対応が取れる自信はありますか?
もしくは、あなたはシステム管理を担当する部署にいて、サイバー攻撃にあった際に謝罪会見の同席することになったら、事件が起きた経緯などわかりやすい言葉で説明ができ、冷静に記者に対応できる自信はありますか?
縦割りチームではリスク管理出来ない
日本企業の多くは、メディア対応は広報担当、BCP(事業継続計画)や危機管理は総務が担当するといった縦割りの組織構造になっています。そして残念ながら部署間のコミュニケーションが取れておらず、お互いの業務領域への理解が少ないケースがあります。
そのため、例えば大型地震、サイバー攻撃、広告やSNSによる炎上といった、会社の有事の際に、メディアを含めたステークホルダーとの適切なコミュニケーションを行えません。
私たちは今、情報伝達の速度がこれまでにないほど加速している、1億総メディア時代にいます。
昨年2020年に発生した炎上事案のうち、約50%は24時間以内にアウトプットされたというあるエビデンスもあります。
さらにSDG’sのように国際社会から見た企業に求められる責任や、ESG投資のトレンドに見られる投資から見た企業の責任、企業として考えるべきCSRといったこれらの責任が高まっている中、リスクコミュニケーションは全社的にワンチームで取り組む必要があります。
逆にいうと全社的に取り組んでいない組織は、コミュニケーションにおいて、有事の際に適切な対応が出来ない可能性が高いといえます。
コミュニケーションの観点からBCPを作る
RCIJでは有事の際、ステークホルダーから信頼の得られるコミュニケーションが、迅速に行えるようBCPをつくり、全社的な取り組みをおすすめしています。
具体的には
① 緊急時の体制を確立し、
② 常に命に関わることが最優先とし、次に被害の拡大を防ぐことを念頭に、
③ ステークホルダーごとに何を、どのように伝える べきか、方針、手段を決め、
④ 体制や手順書、文書案などを作成しておき、
⑤ これをいざという時行えるよう部署間のコミュニケーションを心がける
といった手順が必要となります。
広報班の役割分担表の一例
有事の際のチェックリスト一例
また、以下の定型文とリストは事前に用意しておいた方がよいでしょう。
◯定型文
・ホールディングコメント基本フォーマット
・プレス発表基本フォーマット
・リスク毎のプレス発表フォーマット
・社内情報共有フォーマット
・Q&A 等
◯リスト
・初動対応におけるTODOタスクチェックの一覧
・プレス発表整理一覧
・メディア対応(メール、電話)受付一覧
・市町村等の被害状況一覧
・ステークホルダー連絡先一覧
日本リスクコミュニケーション協会(RCIJ)では、御社の現状分析から構築・教育・演習までリスクコミュニケーションを全般にわたってご支援します。
ご要望をヒアリングし、必要に応じて専門家派遣も行っています。まずは気軽にお問い合わせください。contact@rcij.org