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炎上のトレンドオリンピック開催で増える「炎上リスク」を予防する

2021.07.13

今年2月に国内外のメディアから批判が相次いだ、オリパラ組織委員会森元会長による女性蔑視発言から数ヶ月経とうとしていますが、最近は人種差別的発言でさまざまな炎上事件が相次いでいます。

東京オリンピックが開催することが決定した現在、企業や団体は人種問題をめぐる差別的発言に対して更なる注意が求められています。


【事例1】
6月 県が外国人の不法滞在などの防止を目的として、ホームページ掲載していたイラストに「悪意がある」など批判が相次ぐ

県警からの依頼で、「不法就労外国人対策キャンペーン」に併せてイラストを掲載。作業着や防護服、ドレス姿の男女3人が「在留資格 無資格」や「在留資格 留学」などと書かれた紙を手にするイラストで、肌は灰色、目は黄色で描かれている。これに対し「悪意がある」などと批判が続出。

県の広聴広報課は「ツイッター上の指摘を踏まえ、差別を助長しかねないイラストだと考えて削除した」、掲載を依頼した県警は「(批判は)想定外だった」としている。


【事例2】
7月 サッカー日本ツアーで来日した外国人サッカー選手がインスタの動画で日本人に対し差別発言

2019年7月にクラブの日本ツアーで来日した際の映像が炎上。ホテルでセッティング中のスタッフを目の前に、フランス語で「醜い面」「ひどい言葉だ」などと発言。スポンサーもこの事態を重く受け止め、契約を解除したことを公式サイトで発表。


【事例3】
7月 千代田区のホテルで、五輪関係者に対してエレベーターに「外国人専用」と貼り炎上

オリンピック関係者の受け入れが始まったことに伴い、海外の大会関係者に対し一般客と同じエレベーターに乗らないよう「日本人専用」、「外国人専用」と貼った。
SNSで拡散すると「信じがたい差別」など批判の声が相次ぐ。ホテル側は「どのように表現したらいいのかわからなかった。ダブルチェックなども至らなかったと反省している」と釈明。

これらの事件に共通しているのは、炎上を起こしてしまった側は「そんなつもりはなかった」と悪意がないことを事後に説明している点です。(最も世の中の炎上事件はほとんど発信者が意図せず起きていますが)
しかし、炎上に悪意の有無は関係ありません。いったんその発言が不適切だと決まり、炎上が始まってしまえば、たとえそれを否定する意見があっても事態を収集することは困難になる可能性が高いのです。

では私たちは、想定外の炎上を起こさないためにどんなことに気をつけたらいいでしょうか?

SNSの使用については、従業員等の私的アカウントと公的アカウントそれぞれに対して、予防策をとることが必要です。

私的アカウントについては規定類の整備と、地道な社員教育が効果的です。SNSの特性などの基礎知識や発信すべきではない情報の共有、誓約書、就業規則、ガイドライン、ソーシャルメディポリシーなど規定類の告知がこれにあたります。この際投稿者の法的責任についても言及しておくことをお勧めします。

公的アカウントに関しては、複数人もしくは外部専門家を入れたチームで運用することが炎上予防になります。使用者として法的リスクを洗い出し理解する、チェック体制の整備をする、自動検知システムなど導入するとさらにリスクが軽減されます。

発信すべきではない情報に対しては日々アップデートが必要ですので、運用者は炎上しやすいトレンドについてウォッチし、リスクの時流トレンドに敏感になることが大切です。担当者として世の中の動きに合わせて価値観をアップデートすることは必須です。

万が一差別的な発言をして炎上する事態に陥った場合は、謝罪を行い、何が問題で、どのように再発防止をして、どんなペナルティを課すのか明確に声明を出すことが懸命です。

間違っても自分たちも被害者であるような言い方や弁明は事態を大きくすることに繋がります。

日本リスクコミュニケーション協会(RCIJ)では、リスクの現状分析からヒアリングし、構築・教育・演習までリスクコミュニケーションを全般にわたってご支援します。
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