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コミュニケーション戦略水不足危機への対応 – 企業の広報とESG推進が果たす役割

2023.03.23

2025年、世界の半数が水不足に陥るとフォーチュン誌が警告しています。
ペプシでおなじみの世界的な飲料メーカー「ペプシコ」のジム・アンドリュー氏は、干ばつや水不足が発生している国の人々に影響を与えており、時間が刻々と過ぎていると指摘しています。

「幸いなことに、多くの企業が水に関する野心的な目標を設定し、行動を起こしています。しかし、現状では、民間企業、NGO、政府が協力して、この危機に大規模に対処するために必要なリソースをプールする機会はほとんどありません」とアンドリュー氏は述べています。そして世界の水危機に対処する唯一の方法は「すべての人々が安全で清潔な水にアクセスできるようにしながら、水の保全とガバナンスを改善する」という共通の目標のもと、すべての関係者が行動を起こすことであると付け加えました。

参照元:PepsiCo’s chief sustainability officer: ‘Half of the world’s population will face water scarcity as soon as 2025. It’s time everyone does their part in addressing the global water crisis’


では、このような状況下で企業はどのような役割を果たし、どのような取り組みが求められているのでしょうか?

まず、企業は自らのビジネス活動における水利用を見直し、持続可能な水資源管理に取り組む必要があります。具体的には、水の使用量を削減し、循環型経済を推進することで、地球規模の水不足問題に貢献していくことが求められます。

また、消費者の関心が高まるESGデータを活用し、自社の取り組みを発信することが重要です。広報活動を通じて水資源保全に関する情報や取り組みを伝えることで、消費者や投資家からの信頼を獲得できる可能性が高まります。さらに自社の製品やサービスを通じて、水資源保護に配慮した価値提案を行うことも有用です。

さらに民間企業、NGO、政府と協力し、水危機に対処するためのリソースをプールする必要があります。アンドリュース氏が指摘するように、すべての人々が安全で清潔な水にアクセスできるようにしながら、水の保全とガバナンスを改善する共通の目標のもと、すべての関係者が行動を起こすことが求められています。

測定可能な影響を伝える教育的メッセージングやストーリーテリング*を活用して、水危機への対応を効果的に伝えることも重要です。これにより、ペプシコのような大企業から小規模な小売店まで、さまざまな企業が水危機への取り組みに参加し、地球規模の問題に共同で取り組むことが可能となります。広報やESG推進部門は、企業が水不足危機にどのように取り組んでいるかを明確に伝える役割を果たし、消費者や投資家に向けて企業価値を高めることができます。

加えて、企業は技術革新を通じて水資源の効率的な利用や保護に貢献できます。例えば、水の浄化技術の開発や、節水型の設備・製品の普及を促進することで、水不足に直面する地域への支援が可能です。

(*ストーリーテリングとは、情報やアイデアを物語の形式で伝える技法です。これにより、聞き手が感情的に関与し、理解しやすくなります。具体的な事例や人物を取り上げることで、抽象的な概念やデータを親しみやすくし、メッセージがより鮮明に伝わるようになります。ストーリーテリングは、広報やマーケティングで効果的な手法として利用されています。)

企業の水不足対策は、サプライチェーン全体にも広げられるべきです。サプライヤーに対しても、水資源管理や環境への配慮を求めることで、地球規模での水不足問題に対する取り組みを強化することができます。

さらに、企業は地域社会との連携を通じて、水資源保護や水不足問題への理解を深める取り組みを行うことが重要です。地域住民や学校と連携し、水資源保護に関する教育プログラムを展開することで、持続可能な水利用への意識を高めることができます。

最後に、企業は水不足危機への対策を定期的に評価し、改善に取り組むことが求められます。これにより、企業は継続的に水資源保護に貢献し、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを強化できるのです。

まとめとして、水不足危機への対応において、企業の広報やESG推進部門は、自社の取り組みを効果的に伝えることが重要です。さらに民間企業、NGO、政府と連携し、技術革新やサプライチェーン全体への取り組み、地域社会との連携、定期的な評価と改善を通じて、水不足危機に対処していくべきです。水不足危機は、個々の企業や団体だけで解決できる問題ではありません。企業が多様なステークホルダーと協力し、共同で取り組むことにより、より効果的かつ持続可能な解決策を見つけ出すことができます。

具体的には、企業は以下のような取り組みが有用です。

民間企業同士の協力:異業種や競合企業同士で情報共有や技術交流を行い、水資源管理や保護技術の開発・普及を促進します。また、業界団体を通じて、業界全体での水不足対策の推進やガイドライン策定に取り組むことができます。

NGOとの連携:水資源保護や環境保全に専門性を持つNGOと協力し、企業の持続可能性に関する取り組みをより効果的かつ具体的に進めることができます。また、NGOとのパートナーシップを通じて、地域社会への支援活動や環境教育プログラムの実施が可能となります。

政府との協働:政府と連携して、水資源管理や保護に関する法規制や政策の策定に参画することで、持続可能な社会の構築に貢献します。また、企業は政府主導のプロジェクトに参加し、公共インフラ整備や地域の水資源保護活動を支援できます。

サプライチェーン全体への取り組み:サプライヤーに対しても、水資源の効率的な利用や環境への配慮を求めることで、地球規模での水不足問題への対策を強化します。これにより、サプライチェーン全体での持続可能な経営が実現できます。

地域社会との連携:地域住民や学校と協力し、水資源保護に関する教育プログラムやイベントを開催することで、地域社会全体での水不足問題への理解と対策への関心を高めることができます。さらに、地域社会と共同で水資源保護プロジェクトを実施することで、地元の環境や生活に直接的な貢献ができ、企業の社会的責任を果たすことにもつながります。

定期的な評価と改善:企業は水不足対策を定期的に評価し、その成果や課題を見直すことが重要です。こうしたフィードバックをもとに、取り組みの改善や新たな対策の開発を行い、より効果的な水資源保護に取り組むことができます。

総じて、企業は水不足危機に対処するために、民間企業、NGO、政府と連携し、技術革新やサプライチェーン全体への取り組み、地域社会との連携、定期的な評価と改善を通じて行動することが求められます。これらの取り組みを通じて、企業は持続可能な社会の実現に向けた貢献を果たし、同時にその企業価値を高めることができるでしょう。

広報やESG推進部門は、これらの取り組みを効果的に伝える役割を担います。明確で魅力的なメッセージングやストーリーテリングを用いて、企業の水不足対策や持続可能性への取り組みを消費者や投資家に伝えることが重要です。こうした情報発信を通じて、企業は社会に対する信頼や評価を向上させ、持続可能なビジネスを実現することができます。

 

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