6月17日、経団連は、2020年5月に取りまとめた「新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」の四訂版を策定し、公開しました。
これまでも、エビデンスの蓄積等を踏まえた改訂を続けてきましたが、新たな知見に加えて、現在の新型コロナウイルス感染症のオミクロン株の特性、リスクの度合いに鑑みて、大幅な記述の簡素化が行われました。
新型コロナウイルス感染症との共存は、3年目を迎えています。発生当初は「正体不明」だったこのウイルスの特徴について、現在は以前よりも多くのことを理解できています。
効果的なワクチンが開発され、検査の手段も充実し、治療薬も開発されてきました。この間、手指消毒、密閉されたり、混雑したりした場所でのマスク着用などの基本的な感染予防対策が国民の間で定着したこと、ワクチン接種が進み、多くの国民の体内に少なからぬ免疫が備わりました。
経団連の感染予防対策ガイドラインは、オフィスや製造事業場の現場での感染対策の指針として、一定の役割を果たしてきましたが、上記のような経緯とこれまで得られた知験を踏まえ、また現在の新型コロナウイルス感染症のオミクロン株の特性、リスクの度合いに鑑みれば、大幅に記述を簡素化することができると考えられ、改訂することになりました。
・日本経済団体連合会「新型コロナウイルス感染予防対策ガイドラインの四訂について」
また、5月23日、政府は新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針を変更し、屋内や屋外でマスク着用が不要となる場面を記載しました。
厚生労働省や文部科学省は5月25日、マスク着用が不要となる具体的な生活の場面について明記したリーフレットを作成し公開しています。
・厚生労働省「マスク着用の考え方及び就学前児の取扱いについて」
・文部科学省「厚生労働省と連携し、マスク着用の考え方について周知するためのリ ーフレットを作成しましたので、お知らせいたします。」
変更後の方針では、屋内では他者と距離を確保して会話をほとんど行わない場合、屋外では他者と距離を確保できる場合と、他者と距離がとれない場合であっても会話をほとんど行わない場合は、マスクの着用は必要ないと示されています。
特に、屋外では夏場の熱中症予防の観点から「マスクを外すことを推奨する」と明記されました。
これらは各事業者の、新型コロナウイルス対策の見直しの際に大変参考になると考えます。