RCの基礎知識他社と差をつける不動産業界のためESG
2021.04.01
国土交通省は3月30日、不動産業界向けに気候変動関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)に対応するためのガイダンスを公表しました。不動産分野に特化して、気候変動に対応したシナリオ分析の考え方などを解説しています。
https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/totikensangyo_tk5_000215.html
近年、ESG(環境・社会・ガバナンス)への配慮を求める動きが拡大しており、また、SDGs(持続可能な開発目標)が国際社会全体の目標として共有され、経済・社会・環境をめぐる広範な課題に総合的に取り組むことが重要とされています。特に、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言を踏まえ、国内外のREITやデベロッパーにおいても、気候変動のリスクと機会が与える財務的影響の開示に向けた要請が高まっています。
そもそもTCFDってなに?
TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures:気候関連財務情報開示タスクフォース)は2015 年に設立されました。
世界中の銀行や財務省が、気候変動を大きなリスクと位置づけたことから、気候変動の影響や対応策について、検討するために設立された組織です。
ここで、投資家や金融機関が、投融資先の気候変動によるリスクを評価し、対応策を検討、その内容を開示して投資家や金融機関と対話をしてくための枠組みを提供しています。
2017年にその提言をまとめた報告書を公表してから、TCFD提言に賛同し、その内容に沿った取り組みや開示を進める企業は国内外で増加しています。
企業にとって、TCFD提言に沿って、気候変動の問題に対応していくことは、金融界から対応を迫られている経営の重要課題となりつつあるのです。別の言い方をすれば、不十分な気候変動対応は経営上のリスクになると評価されるトレンドであると言えます。
国土交通省がガイダンス策定した背景
日本の不動産業界は気候変動の影響を受けやすいことが背景にあります。特に、台風や高潮などの自然災害が多く、風水害に直接さらされる不動産においては、気候変動による物理的なリスクの影響が大きいといえます。
投資家が投資先に対して気候変動への対応を求める動きが拡大しTCFDができたため、日本の不動産業界が持続的な発展をするためには、気候変動による物理的リスクを回避・縮減し、そうした対応策について国際的な枠組みであるTCFDに基づく開示が求められています。
取り組むメリット
日本の不動産業界は気候変動の影響を受けやすいことが背景にあります。特に、台風や高潮などの自然災害が多く、風水害に直接さらされる不動産においては、気候変動による物理的なリスクの影響が大きいといえます。
投資家が投資先に対して気候変動への対応を求める動きが拡大しTCFDができたため、日本の不動産業界が持続的な発展をするためには、気候変動による物理的リスクを回避・縮減し、そうした対応策について国際的な枠組みであるTCFDに基づく開示が求められています。
自社をよりよく把握することによって、気候変動対応を高度化し、かつ、その取り組みについて投資家を含めたステークホルダーに効果的に開示していくことができれば、企業の気候変動に伴う物理的・社会的な環境変化に対する適応能力や持続可能性が向上します。そして、そのことを投資家等の企業の分析・評価者が把握することによって、自社の企業価値の向上につなげていくことができます。
「不動産分野におけるTCFD提言対応ガイダンス」は、日本の不動産分野固有の実情を考慮し、環境省のシナリオ分析実践ガイドやガイダンスを踏まえた、不動産分野に特化した初めてのガイダンスとなっています。海外の開示事例やシナリオ分析の例を多く盛り込み、取り組みやすいよう工夫されています。
ガイダンスの内容
- 第 1 章 なぜ気候変動に対応することが大切なのか
- 第 2 章 なぜ不動産分野でも気候変動が重要なのか
- 第 3 章 気候変動を巡る海外・国内の動向
- 第 4 章 TCFD 提言とは何か
- 第 5 章 TCFD 提言への対応とは
- 第 6 章 TCFD 提言に基づいた開示事例
- 第 7 章 TCFD 提言を踏まえた情報開示の進め方
- 第 8 章 不動産分野の TCFD 開示において参考となるデータ・シナリオ集の紹介
- 第 9 章 不動産分野の TCFD 開示において参考となる文献の紹介
- 第 10 章 認証制度の紹介
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