RCの基礎知識動画制作する時に気をつけたいリスク
2021.04.30
新型コロナウイルス感染症による外出自粛の影響で、自宅で過ごす時間が増え、動画配信サービスや動画共有サービスを利用する人が増えました。Googleの調べによるとその流れを受けて YouTube も 動画サービス利用者の 74% が「利用が増えたと回答しています。これは他のオンラインプラットフォームの平均と比較すると3 倍以上です。
2020年は、日本における YouTube の視聴人数が飛躍的に増加。 9月のYouTube 月間利用者数は 6,500 万人を超えました。
そんな中、自社のサービス認知向上や採用強化のために、動画制作をする企業が増えています。自社のウェブサイトをはじめ、YoutubeやTikTokなどのソーシャルメディアを通じて動画が配信されます。
しかしソーシャルメディアの利用者の増加に伴い、炎上件数も増加しています。シエンプレデジタル・クライシス総合研究所によると2020年は1日3.9件の炎上が発生しました。著名人に関わる炎上が50%を超え多数を締めるものの、企業に関わるものは年間400件以上、毎日1件以上発生しています。
せっかく作った動画が意図せず炎上してしまうと、動画制作にかけたリソースが無駄になるだけではなく、レピュテーション失墜によるダメージを大きくうけることになります。
このようなリスクを回避できるよう、動画を制作する際は、十分にリスクマネジメントを行う必要があります。
表現で気をつけたいリスク
・放送禁止用語、ポリティカル・コレクトネスで変化した言葉を使用しない。
・性差別や性蔑視、ジェンダー問題と視聴者が受け取る表現をしない。
表現では主に上記のようなリスクに対して注意が必要になりますが、チェックする担当者のアンコンシャスバイアスがあるとうまく作用しません。
アンコンシャスバイアスとは、自分自身は気づいていない「ものの見方やとらえ方の歪みや偏り」をいいます。
アンコンシャスバイアスは、その人の過去の経験や知識、価値観をベースに、何気ない発言や行動として現れます。問題は、自分自身では意識しづらく、ゆがみや偏りがあるとは認識できないことです。
アンコンシャスバイアスは些細な言動や何気ない行為に含まれており、「気にするほどの事ではない」と見過ごされがちです。そのまま放置すると、社員のモチベーション低下やハラスメントの増加、職場のコミュニケーション不全、ひいては組織や個人のパフォーマンス低下など様々な弊害を生みます。
法的観点で気をつけたいリスク
表現で気をつけたいリスクの他、法的な観点からもチェックが必要です。顧問弁護士の先生に協力を仰ぎましょう。
・著作権の侵害はないか?
・肖像権やパブリシティ権の侵害はないか?
・名誉権やプライバシーの侵害はないか?
・他社の信用毀損、業務妨害営業誹謗行為、不当表示とされる表現行為を行っていないか?
上記にあげた項目に関係する法律については、最低限理解しておくことも大切です。
日本リスクコミュニケーション協会(RCIJ)では、初心者から学べる”RC技能認定第1種講座”で、リスクコミュニケーターとして必要な、法務・法律についても学べます。
受講を検討している方向けに、専任カウンセラーによる無料相談会も開催しております。
そのため、アンコンシャスバイアスの知識や対処法を身につけることは、多様な社員をマネジメントする上での必須要件として位置づけられ、すでに様々な企業がトレーニングを実施しています。Googleやフェイスブック、マイクロソフトなどの大手外資系企業が先陣を切って導入し、金融・証券、IT、製薬、流通、土木、製造など、あらゆる業種の日本企業が、アンコンシャス・バイアス研修を導入しています。
また、リスクのトレンドは日々変化しており海外や、他社で問題となった事例を日頃からチェックすることが何より重要です。以前は同じような表現で大丈夫だったことが、今は炎上に発展してしまうケースがよくあります。
ご要望をヒアリングし、必要に応じて専門家を派遣します。まずは気軽にお問い合わせください。
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